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それにしても目標が17とは欲張りすぎでは?!

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それにしても目標が17とは欲張りすぎでは?!

最終更新日:2022/05/04

このコラムは、「SDGsについて関心があるけど、イマイチ全体像がわからない。」「SDGsっていったい何ができるんだろう」「SDGsってビジネスにどうやって活かすんだろう」という、当たり前の疑問を抱えて、モヤモヤしているみなさまのためのものです。毎月、小さな記事を少しずつリリースしています。
なぜなら、私自身がお客さんから「SDGsって何からやればいいの?」って聞かれて困ったことが過去にあるからです。ぜひコツコツ一緒に学んでいきましょう。

SDGsはわかりにくい!?

SDGsはわかりにくいと言われますが、それもそのはず。対象範囲がとても広い。SDGsの言う「持続可能な開発目標」とは、「世界中にある環境問題・差別・貧困・人権問題を、世界のみんなで2030年までに解決していこう」という計画・目標のことですが、中には、トレードオフの関係に見えるものもあり、一層、難解に感じます。しかし、そこは、イノベーションを起こすチャンスとも言えるわけです。

ターゲットが170ではなく169なわけ

SDGsには、17の目標と169のターゲットがあります。覚えきれないほどたくさんあるのですが、実は、それぞれが深く繋がっています。これを知ることは、SDGsを理解することに繋がっていますので、本日は、そのお話をさせていただきます。
この“17の目標と169のターゲット”は、それぞれ並列的にも垂直的にも複雑に絡み合っており、ビジネスで言うとバリューチェーンなどとも深く関連しています。わかりやすくするためにいくつかのグループ分けなどもあるようです。

例えば、似た者同士を集めた「5つのP」

No.1~No.6     People(人間):貧しさを解決し、健康に
No.7~No.11   Prosperity(豊かさ):経済的に豊かで、安心して暮らせる世界に
No.12~No.15 Planet(地球):自然と共存して、地球の環境を守る
No.16               Peace(平和):争いのない平和を知ることから実現
No.17               Partnership(パートナーシップ):みんなが協力し合う

大きな柱である環境保護を土台にと
それぞれの関係性を考えたウエディングケーキモデル

私は、このウエディングケーキモデルが、とてもしっくり来ています。
このモデルは、スウェーデン人の環境学者J・ロックストローム氏とインド人の環境経済学者P・スクデフ氏によって作られたそうです。
これは、環境を土台として、その上に社会をのっけて、そしてさらにその上に経済、最上位にパートナーシップを乗せ、17の目標をウェディングケーキになぞらえて表現したものです。

このように17個の目標は、5つのグループ(5つのP)や4つの階層(ウェディングケーキ)に分かれて繋がっているのだということがわかれば、かなりSDGsを理解できたと言えると思います。もちろん理解するだけでよいわけではなく、私たちビジネスマンの役割は、これらを実践し、実現の一翼を担うことです。しかし、考え方や理念といった土台がわかっていなければ、うまく実践することもできませんし、日常のビジネスの中に組み込んだり、さらには、SDGsへの取り組み自体をビジネスモデルに取り込んだりすることもできません。

ところで169ってなんだ?

ところで169ってなんでしょう?私も「100でも200でも170でもなくなんで1・6・9なんだ!?」と不思議でしょうがなかったです。
例えば、目標1「貧困をなくそう」のターゲットは以下のようになっています。
目標1では、世界中のあらゆる形態の貧困を撲滅することをゴールにしているのですが、これは安定した生活に必要な収入がないことだけではなく、飢餓や教育についての基本的な社会サービスが不足しているなど、その地域によって貧困の定義や程度は異なります。

1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる。
1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、全ての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。層に対し十分な保護を達成する。
1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、全ての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。
1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
1.a あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。
1.b 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。

17の目標に対しておおむね10ほどのターゲットが設定されています。そしてそのターゲットは2種類あります。
ひとつは目標に対して数字が付け加えられており、もうひとつは、アルファベットが付け加えられています。
数字が付け加えられているターゲットは、目標の具体化、具体的な課題が示されています。一方で、アルファベットが付け加えられている方は、それらの課題を達成させるための手段や解決策が示されています。
つまり「目標1の達成を細分化した1.1〜1.5を達成させるために、1.a・1.bという手段をもって成し遂げよう!」となります。
と言っても、目標に比べると少しは具体化されてはいるものの、全世界・全地域で共通の内容であるため、「じゃあ明日からすぐにやろう!」とはなりづらいレベル感です。
その解決策として、我々が推奨しているのは「チーム・組織で話し合う」です。
チームで知恵を出し合うことで、取り組み自体が自分ごと化できますし、自分たちの発想で具体化・言語化すれば、必ず自分たちで達成できる粒度になるはずです。この話し合う過程ですらも目標達成のために貢献できている状態と言えます。

ところで、私たちが住む日本の進捗具合はどうなっているのでしょう?

SDGsでは、定期的に振り返ってその取り組みを評価することも定められており、WEBサイトなどを通じて公表されています。気になる日本の順位は・・・
2017年のレポートでは11位、2018年は15位、2019年15位となっています。では上位はどのような国々かというと・・・。

1位デンマーク、2位スウェーデン、3位フィンランド、4位フランス、5位オーストリアとなっています。さすが、ヨーロッパといった感じですね。歴史の重みを感じます。しかし、地球に与える影響が大きいのは、開発力が大きくGDPが大きい国々です。

そちらはというと・・・。
アメリカ35位、中国39位
です。トランプ大統領の方針が大きく響いた感じですね。バイデン政権発足で急ハンドルがすでに切られていますし、中国ももはや途上国の顔をすることも無理があります。両国とも今後は、取り組みを急加速してくることが予想されます。

では、日本について詳しく見ていきましょう。

私たちが暮らす日本は15位。なんかいい感じですが、達成できている目標はというと、2つだけです。ひとつは、“④質の高い教育をみんなに。と、もうひとつは、“⑨産業と技術革新の基盤を作ろう”です。これって行動成長期の頃から日本のお家芸と言われているテーマですよね。つまり、日本もあまり何も進んでいないのです。これは、私たちの肌感覚とも近い結果ではないでしょうか。だからこそ、今から取り組んでも全然、遅くはないのです。つまり、自分たちに身近なことから少しでも自分ゴトとして捉えて、ビジネスに取り入れていく最適のタイミングと言えそうです。

我々は、このSDGsの考え方をビジネスに取り入れるべきだと考えています。
「あなたのビジネスにとりれるならどんな方法があるか?」を一緒に考えさせてください。
「で、まずは、どこから?」と思いたったら、ご連絡ください。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
中小企業診断士 山本 哲也

我々は、堺SDGsプラットフォームに参画しています。


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