みなさんこんにちは!
大阪堺で「経営のモヤモヤをワクワクに変える!」をビジョンに、みなさまのちょっとした変化を応援しています。中小企業診断士の山本哲也です。
本日は、国際コーチング連盟の資格取得に合わせて、「コーチングとは?」について改めて振り返る機会がありましたので、そのお話をさせていただきたいと思います。
きっとみなさまの社内や顧客との対話に役立つはずです。
国際コーチング連盟(ICF)は、コーチングの専門機関として世界最大規模の非営利団体で、コーチングの信頼性向上と普及を目的としています。コーチングの専門家や組織、関係者を会員として、世界5大陸にまたがる活動を行っており、もちろん日本にも支部があります。
なぜいま?
コーチとしては数年来活動しており、国際資格にも興味はあったのですが、よいタイミングに巡り合わず、これまで、放置していました。他の理由として、それほど英語が得意なわけじゃないので自然に避けていたのかも知れません。
というのも、資格取得に必要な申し込みからレポートまですべて英語で行われるからです。とにかく準備や事前審査が結構大変でした。
事前審査:
コーチ養成カリキュラムの受講 60時間以上、コーチングセッション経験・最低100時間以上(人数や時間、有償無償など)、自分もクライアントとしてコーチを受けていること、実際のセッションの録音と英訳テキスト
最終試験:
監視付きの受験施設で受験します。概要は、択一式問題60問(制限時間90分)で75%以上の正答。試験内容は、コーチング倫理に関することが30%、コーチングの定義と境界に関することが30%、そして、コーチングの能力、戦略、テクニックに関することが40%。
この最終試験の内容が、私たちの日々の対話にも生かせることが多いなと感じたので、重要な部分に絞って次の章からシェアします。
倫理とは?
倫理と聞いて皆さんはどんなことを想像しましたか?年代によっては、高校の授業を思いだした方も多いかも知れませんね。
国際コーチ資格試験では、
①職業倫理規定に関する知識。
②利益相反を構成する要素についての知識。
③機密保持に関する関連法、規制、組織のポリシー
と、手順に関する知識となっています。
倫理を辞書などで調べてみると・・・
人として守るべき道や道徳の規範となる原理、社会生活を送る上で一般的な決まりごとや善悪・正邪の判断において普遍的な規準。とあります。
また、「倫」は「人の輪、仲間」、「理」は「模様、ことわり」を組み合わせた言葉で、「仲間の間での決まりごと、守るべき秩序」という意味合いもあるようです。
倫理と似た言葉に「道徳」や「法」がありますが、倫理はより広範に用いられることが多いのに対し、道徳は個人や家族などの小集団に用いられることが多いようです。また、法は社会秩序維持のための規範で、一般に国家権力による強制を伴うものですが、倫理は内的な自律から生じるものです。
つまりは、対話の相手やお客さまに人として迷惑をかけないようにするためには?といったところでしょうか?ビジネスでは、「お金や時間、スタッフなど自分たちの大切なリソース」と「顧客の受け取る価値」が相反する場面でどのように両立させるのか?について考えさせられるテーマですね。
対話(コーチング)の定義について
対話については、本コラムでもなんども登場するワードです。繰り返しになりますが、大切なことなのでここで、言葉の意味を確認しておこうと思います。

対話とは、「互いに意見を述べ合い、立場や意見の違いを理解してすり合わせることを目的とする話し合い」です。類義語には「話し合う」「語らう」などがあります。
対話には、次のような特徴があります。互いの立場や意見の違いを理解し、そのずれをすり合わせることを目的とする何かしらのテーマに基づいて、それぞれの意見を述べ合う、言葉を通じて他者とともに一緒に考える行為のこと。
対話と似た言葉に「会話」がありますが、会話には明確な目的やゴールがありません。また、意見を主張し合うニュアンスが強い「議論(ディスカッション)」とも区別されます。
コーチングセッションは、まさにこの対話にあたります。
ただし、コーチとクライアントとに役割を分けて行う対話ですから、その部分で少々の違いがあります。ある部分では対等であり、ある部分ではクライアントファーストを心がけています。これは、上司と部下の関係においても同じことです。
社内の1on1では、上司は、部下の成長を目的に対話の時間を取ります。会議やミーティングでは、議題(問題や課題)について成果を得ることを目的に対話を行います。それ以外にも進捗共有や業務連絡などいろいろな対話や会話があります。
ここで、重視したいことは、目的をしっかり共有し、目的に向かって時間を使う。ということです。
対話は社内外問わず最重要課題
このことは、社内に関わらず、顧客との関係においても同様です。
「サービス提供側と顧客側が共同して、顧客の課題解決を目指す」という共通目的を持った関係を維持できてこそ、お互いに信頼し、安心してビジネスができるわけです。

では、この信頼関係が崩れるとどうなるでしょう?
昨今、大きな社会問題になっている「カスハラ(カスタマーハラスメント)」がこの信頼関係の崩壊なのかなと考えています。サービスを受ける側と提供する側は、本来、対等なパートナーであるべきですが、顧客側の一方的な勘違いで崩れてしまっている状態ですね。三波春夫さんの「お客さまは神様です」との発言(こちらも発言したかどうかよくわからないらしいですが・・)を曲解しているお客様の存在がスタッフ従業員のメンタルにダメージを与えています。
また、最近は、「部下による上司ハラスメント」なども注目されています。
こちらの原因には、「上司は、なんでもできて当たり前」という部下側のバイアスだったり、「上司側のハラスメント知識が十分ではなく、適切な指導ができていないこと」などがあるようです。具体的には、「パワハラに該当するもの」と「業務上必要な指導として認められるもの」の区別ができていない上司が多いと聞いたことがあります。
いずれにしても、対等で健全な関係なくして対話は成立せず、建設的な対話が社内に生まれないようでは、目標達成までの道のりは長く厳しいものになるでしょう。
まとめ
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今回のコラムでは、国際コーチ資格の取得のための準備を通して、再確認した「対話のポイント」についてお話ししました。対話は、相手の意見をしっかり聞いて、互いの立場や違いを理解しながら、共通の目的に向かって一緒に進む大切なプロセスです。さらには、上司と部下、コーチとクライアントと、それぞれの役割をしっかり果たすことでより早くゴールに到達できる。
また、社内外での対話では「信頼関係」が何よりも重要。これがあるからこそ、健全で建設的なコミュニケーションが生まれます。逆に信頼が壊れると、カスハラや上下関係のトラブルのような問題が起きやすくなります。
だからこそ、「目的を共有すること」「相手を尊重すること」を意識して、日々の対話をより良いものにしていきましょう!少しの意識で、社内もお客様との関係もきっともっと良くなるはずです。
とはいえ、なかなか難しいものです。簡単かつ短期的にできるなら、みんな実践していますから・・・。気長にコツコツ取り組みましょう。
もし、課題やお悩み・モヤモヤが解消しないようでしたら、一緒に考えさせていただきたいです。無料経営相談制度をお気軽にご利用ください。