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理想のアイデアを「売れるアイデア」にする!コンセプトシートに欠かせない5つのポイント

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理想のアイデアを「売れるアイデア」にする!コンセプトシートに欠かせない5つのポイント

最終更新日:2025/03/12

みなさんこんにちは!
大阪・堺で「経営のモヤモヤをワクワクに変える!」をビジョンに、みなさまのちょっとした変化を応援しています。中小企業診断士の山本哲也です。
今日は、私たちが一番大切にしている「新規事業開発」に関するお話をさせていただきたいと思います。

新規事業に取り組んでいる方、これから挑戦しようと考えている方、あるいは既存事業の中で新たなチャレンジを模索している方にも役立つ、大切なテーマだと考えています。

「この商品は誰にでも喜んでもらえるはず」が危険な理由

新規事業、新サービス・新商品を立ち上げるとき、よく聞くのが「この商品は誰にでも役立ててもらえる」「できるだけ多くの人に届けたい」「ターゲットを絞るなんてもったいない」という声です。
確かに、より広く知ってもらいたいという気持ちは自然です。しかし、この考え方のまま進めてしまうと、多くの場合「誰の心にも刺さらない商品」になってしまいます。不思議ですが、事実、私は体験してきました。

たとえば、あなたが新しいサービスを開発し、知人に「どんな人におすすめなの?」と聞かれたとします。
そこで「誰にでも合うサービスです!」と答えたら、相手はどう感じるでしょうか?
おそらく、「ふーん、じゃあ自分にとって特別な価値があるわけじゃないのかな」と思うでしょう。
ひとは「みんなに向けた商品」ではなく、「自分にぴったりの商品」に魅力を感じるものです。

だからこそ、新規事業や新商品を成功させるには、「誰にでも売る」ではなく、「なぜその人が買うのか?」を明確にすることが重要です。

ペルソナより大切な「買う理由」とは?

「ターゲットを絞るなんてもったいない」という考え方の背景には、「ペルソナを決めること自体が目的になってしまっている」という失敗が原因なのかもしれません。

新規事業や新商品開発において、本当に大切なのは「誰に売るか」よりも「なぜその人が買うのか?」です。
普段聞きなれない表現ですが、いわゆるバックキャスト思考です。成功から逆算していま、私たちは何をすべきか?と頭を使う考え方です。


私たちの成功は、顧客(ペルソナ)の課題解決ですよね?ですから、ペルソナの属性(年齢・性別・職業)を決めることが目的なのではないですよね。「その人はどんな状況にいて、どんな悩みや願望を持ち、何を求めているのか?」を知ることがポイントになり、そういう状況になっている人はどこの誰?どんな生活をしている?と考えましょう。

例えば、以下のような違いを考えてみてください。


「30代のビジネスパーソン向けのサプリメント」

「忙しくて食事のバランスが崩れがちな人のための、1日1回で栄養を補えるサプリメント」

前者は単なる「属性」、後者は「買う理由」が明確になっています。

「30代ビジネスパーソン」というくくりではなく、

「食生活が乱れがちな人の課題を解決するサプリ」という視点で考えることが、より深い共感が得られるのではないでしょうか?

つまり、買う理由である顧客が得られる便益を外さないことが重要です。

ベネフィットとメリットの決定的な違い

上述の通り、商品やサービスを売る際、「メリット」と「ベネフィット」の違いを理解することはとても大切です。

メリットとは、製品やサービスが持つ機能や特徴のことを指します。
例えば、「このスマートフォンは防水機能付き」というのはメリットです。

同じものをベネフィットの視点で言い換えるとどうなるか?少し考えてみてください。

「防水だから、雨の日やお風呂でも安心して使える」
「飲食店や水仕事の多い人に使って欲しい」
みたいな感じでしょうか?このように伝えれば、顧客にとっての具体的な価値が明確になります。

つまり、ベネフィットとは、その機能が顧客にどんな価値や利益をもたらすのかを示すものです。

多くの企業は、商品のメリットばかりを強調しがちですが、実際に顧客が求めているのは「自分の生活がどう変わるか」というベネフィットです。
マーケティングでは、機能の説明ではなく、顧客の視点に立った価値提案が重要なのです。

では、ベネフィットは、どのように考えれば良いのでしょう?

「ベネフィットを最大化するために、ペルソナを明確にせよ!」

ペルソナが重要な理由とは?

「ベネフィット」は、お客様が実際に感じる価値のこと。
しかし、お客様の生活や状況が曖昧なままだと、ベネフィットを具体的にすることができません。

たとえば、新しいフィットネスサービスを開発したとします。


「健康になりたい人向けのフィットネス」では、誰にも刺さりません。
「運動不足だけど時間がない30代の会社員が、週2回30分で体を引き締められるフィットネス」なら、共感する人が増えます。

この「30代会社員で、時間がない人」という部分が、ペルソナの役割です。
ペルソナを明確にすることで、ベネフィットがより具体的になり、お客様に届きやすくなるのです。

ペルソナの作り方:ベネフィットを最大化するための3つのステップ

  • ① 既存の顧客データを活用する(リアルな情報をもとに考える)
    既存顧客の購買データ(年齢・性別・購入履歴など)、SNSや口コミでの反応、実際にヒアリングをしてお客様の声を集める。
  • ② ペルソナの「状況・悩み・行動」を具体的にする
    「健康を気にする40代男性」ではなく、「健康診断の数値が気になり始めた40代男性。仕事が忙しく食生活が偏りがちで、手軽に健康を維持できる方法を探している」と、ライフスタイルまで落とし込む。
  • ③ 「逆ペルソナ(買わない人)」も考える
    ペルソナを作るときは、「この商品が合わない人」も設定することで、より強みが明確になる。

ペルソナを作ることで、伝わるベネフィットが変わる

ペルソナは、「誰のためのものか?」を決めるためではなく、「その人にとってのベネフィットを明確にするため」に必要です。

ペルソナがないと…
「この商品は便利です!」→ 便利さの感じ方は人それぞれ

ペルソナがあると…
「朝の身支度を5分短縮できるドライヤー。忙しい朝にゆとりを生み出します。」→ 特定の悩みを持つ人にとっての価値が伝わる!

つまり、ペルソナを明確にすることで、「お客様が買う理由」=ベネフィットがよりクリアになります。

「実際にペルソナを作ってみたい」

「自社の商品やサービスにどう当てはめるか知りたい」という方は、

2月下旬発刊予定の「ストーリーで学ぶ新規事業開発」も合わせて読んでみてください。詳細はAmazonまたはKindleで発表しますので、ぜひチェックしてください!

ここまでの流れを整理し、ペルソナを簡単に作成できるテンプレートも掲載されていますので、一層理解が深まると思います。

まとめ

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

アイデアを形にする第一歩として、コンセプトシートは非常に有効です。
他者を巻き込み、成功へと導くためのツールとして、ぜひ試してみてください。
その小さな一歩が、未来の大きな成功を生むかもしれません。

それでもなお、課題やお悩み・モヤモヤが解消しないようでしたら、一緒に考えさせていただきたいです。
無料経営相談制度をお気軽にご利用ください。