うまくいっている企業が意識しているコトとは?
みなさんこんにちは!
大阪・堺で「経営のモヤモヤをワクワクに変える!」をビジョンに、みなさまのちょっとした変化を応援しています。中小企業診断士の山本哲也です。
本日も、引き続き、私たちが一番大切にしている「事業開発・商品開発」に関するお話をさせていただきたいと思います。
新規事業に取り組んでいる方、
これから挑戦しようと考えている方、
あるいは
既存事業のブラッシュアップに取り組んでおられるあなたにも役立つ、
大切なテーマだと考えています。
”お客さまのため”だけで本当にいいのか?
「お客さま第一主義」は、ビジネスの基本です。
誰もが、顧客の声に耳を傾け、ニーズに応えようと努力しています。
しかし――
「顧客ニーズに応えているのに、なぜか売れない。」
「アンケートをもとに企画したのに、社内の賛同が得られない。」
そんな壁にぶつかった経験はありませんか?
もちろん、予想通りにビジネスが進まない要因がたったひとつのことに帰結することはないと思います。
必ず、複合要因があるはずです。
しかし、このモヤモヤ感の多くは、「お客さま第一主義」に偏りすぎていることが原因だったりします。
えっ?!「お客さま第一主義」のどこがダメなの?と、
声が漏れそうになるくらい驚いたかも知れませんね。
でも、
実は、この考え方は、もはやビジネスの現場で必須の考え方になっています。
本日は、「お客さま」以外にもある大切にすべきことについて考えてみたいと思います。
顧客に寄り添った企画が、なぜ伝わらなかったのか?
ある企業で、若手社員が新たな販促企画を提案しました。
「お客様の声」をもとに、“お得感”を前面に押し出した福袋キャンペーンです。
ところが、上司たちの反応は冷ややかでした。
「これって、単なる在庫処分に見えない?」
「私たちのビジネスやブランドとして、社会にどう役立っているのか?」
この話を聴いて、みなさんはどんなことを思いましたか?
もし何かが足りないとしたら、それは、どんな観点が不足していると感じますか?
担当者は、当然困惑しました。
「お客さまにとって、コスパ(お得感)がすべてでしょ?それ以上いったい何が必要?」
いかがでしょう?どう感じましたか?
この担当者に欠けていたのは、「社会との関係」という視点でした。
現代の不安定なビジネス環境においては、顧客だけでは足りず、
社会とも関係を構築していく必要があるのです。
私たちが「いい会社」「順調に成長している会社」と頭に浮かぶ、
いわゆる「できる企業」は、そこに気づいているのです。
顧客満足だけでは、ブランドも、ビジネスも、持続できない。
現状、あなたのビジネスが苦戦しているとすると、もしかしたら、
この「社会との関係」を強化するという視点が必要なのかも知れません。
では、「社会との関係を強化する」とはどういうことなのでしょう?
できる企業が意識している「社会課題」という視点
「お客さんのお困りごとの解決」は、ビジネスの根幹であることはこれまで通りです。
これからも不変の事実です。
一方で、近年注目されているキーワードに「社会課題」があります。
これは、社会が持続的に発展していくために、解決が必要な問題の解決の方向性のことを指しています。
顧客課題と社会課題は、まったく別のものではありません。
これら二つは密接に繋がっているのです。
「社会課題」と聞くととても大それたことで、自社のような零細企業とは無関係
のように感じる方もおられるかもしれませんが、決して、そんなことはなく、私たちも含め
すべてのビジネスは社会課題と紐づいているはずなのです。
例えば、
「育児中の親が子どもを安心して預けたい」という顧客課題が、自社の商圏内で多発しており、その解決を目指すビジネスを展開しようと考えているとします。
この顧客課題を抽象化すると
「少子化」
「女性活躍支援」
「地域コミュニティの弱体化」
という社会課題に繋がっていることが、うっすら見えてくるのではないでしょうか?
私たちは、単に「便利なサービスを提供する」だけではなく、「このサービスは、社会のどんな問題を解決するのか?」を考えることが重要なのです。
そして、その視点で商品・サービスの内容をブラッシュアップしたり、広告活動に取り入れたりすることができれば、私たちが苦労して生み出した商品・サービスがお客様の手元に届くことに近づくはずです。
これは、”できる企業”が常に意識している重要なポイントです。
社会課題とビジネスを「つなげる」
「社会課題に取り組もう」と聞くと、「そんな大きなテーマ、うちには無理」
と感じられた方が多いかもしれません。
でも安心してください。
社会課題は、無理に新しく探すものではありませんし、むりやりに繋げるものでもありません。
もし、御社のビジネスが長く続いており、一定の顧客に利用されているのであれば、
自分たちが認識していないだけで、社会課題とつながっているはずです。
逆に言うと「自社の商品・サービスと自然につなげる」ことを意識できれば、
長く、安定的に顧客を得ることができるビジネスに育っていくはずです。
自社の商品・サービスは、どんな社会課題と繋がっているのでしょう?
これについては、ぜひ一度、スタッフ全員で考えてみて欲しいのです。
例えば、
身近な課題(働き方改革、孤独・孤立、地域課題など)と繋がりがないか?
どんな顧客がどんな理由や背景で、当社の商品・サービスを買ってくれているのだろう?
それぞれのお客さま同士の共通点は?
私たちがお勧めしているのは、SDGsの17のゴールです。このゴールのどれが一番近いか?
17のゴールひとつひとつと自社のビジネスに繋がりがあるとするなら、どんな風に繋がっているだろう?という視点で自社のビジネスを見つめ直す方法です。
もし、自社の商品・サービスに直結しているゴールが見つけられない場合は、こんな風に自分たちに問いかけてみてください。
「自社の商品・サービスを買って下さるお客さまは何に困っているのか?」
「何を必要としているのか?」
その答えは、17のゴールのいずれかに繋がっているはずです。
それでもピンとこない場合には、「どのように商品・サービスをアップデートできれば、さらに貢献ができるか?」という視点でも検討してみてください。
こうした発想は、単なる価格競争から自社の商品・サービスを守り、差別化し、応援されるブランド、
選ばれる企業へと成長させるもっとも重要なポイントです。
まとめ
お客さま第一主義は、もちろん正しい。
でも、それだけでは足りません。
社会課題という「もう一つ上のステージ」に目を向けること。
それが、ビジネスの持続可能性(サステナビリティ)と拡張性(スケーラビリティ)を高める秘訣です。
できる企業は、顧客の声に応えながら、同時に、社会に対して「私たちは何を解決できるか?」を常に考えています。
企画や商品開発のとき、ぜひ自問してみてください。
「これは、社会のどんな課題を解決しているだろうか?」
その問いが、あなたのビジネスを一歩先へ導いてくれるはずです。
モヤモヤが解消しない場合は、ぜひ、一緒に考えさせていただきたいです。
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本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。