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沈黙のパワーを活用しよう!

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沈黙のパワーを活用しよう!

最終更新日:2025/10/27

~上司や部下からの信頼を得るためにすべきたったひとつのこと~

みなさんこんにちは!

「経営のモヤモヤをワクワクに変える!」

大阪・堺からみなさまのちょっとした変化を応援しています。ビジョン実現パートナー山本哲也です。

本日は、最近ご相談の多いチーム内のコミュニケーションについてのコラムになっています。

「沈黙が続くと、つい私が話し過ぎてしまうんです」

「会議が報・連・相だけで終わり、深い議論にならない」

「1on1で本音が出てこないのは、質問が悪いからでしょうか」

──そんな声をよく耳にします。

上司・部下との対話やチームの会議で、“沈黙の扱い方”に悩んでおられないでしょうか?

同じ人だけが話して静かな人の本音が見えない、気まずさを埋めるために助言を重ねてしまう。その結果、納得のいく合意や主体的な次の一歩が生まれにくくなっているかもしれません。

このコラムでは、沈黙=信頼のスペースという視点から、

・1on1や会議で“間”をどう設計するか

・傾聴(要約→確認)で主導権を相手に返す方法

・今日から使えるミニ技術(合意の言語化/6秒ルール ほか)

みなさまリーダーのコミュニケーション改善のヒントになれば幸いです。

沈黙とはなんなのでしょう。今一度考えてみませんか?

みなさんにも会話が突然沈黙になって気まずい思いをしたことがあるのではないでしょうか?

かく言う私も沈黙が苦手で、若いころは、すぐに口を開いて余計な茶々を入れたりしてしまっていました。

でも、この沈黙とは、「会話が止まったサイン」では、実はないのです。

沈黙に入った瞬間、相手の内側では、思考がフル回転しているってことも往々にしてあります。

つまり、沈黙とは、今話した内容の意味づけや感情の整理が始まった“始動の合図”かもしれないのです。上司サイドがこの時間を焦って埋めてしまうほど、相手は、周囲が求める“正解”を探しはじめ、内側にある、自分の考えや自分の本心・本音から遠ざかります。

沈黙とは、相手が自分の言葉に到達するための助走なのです。マネジャーやファシリテーターに求められるのは、この助走区間を安全に保つ設計と在り方なのです。

信頼×傾聴×プレゼンス(在り方)

ここで、信頼とその形成に必要な傾聴とプレゼンス(在り方)について考えてみましょう。

コミュニケーションにおける信頼とは、

「相互に尊重し合い、心理的安全な場を一緒につくること」と考えています。

ここで言う心理的安全性とは、

メンバーが「笑われたり、評価が下がったりなどの不利益を恐れずに、質問・異論・相談・失敗の共有ができる」

という場の空気感のことを指します。

では、「何を言っても許されるのか?」

というとそういう訳ではなく、

「わからないと言える」

「『それ、違うかも』と言える」

「やってみて失敗しても学びとして扱われる」

そういう空気感がある、ということです

では、そのような安心感のある場はどのように作れば良いのでしょう?

もっとも重要なことは、「目的」・「時間」・「扱わない範囲」などを最初に合意しておくことです。

次に、傾聴の姿勢です。

傾聴とは、言葉だけでなく、トーン・表情・沈黙・繰り返しや回避など“語られない情報”に耳を澄まし、要約して伝え返すことで「私はあなたのこともあなたの話も理解していますよ!」と示すことです。主導権は、常に相手にあります。

昭和の高度成長期の頃は、さながら軍隊のように、部下が上司に対して命令を反復するスタイルで接していました。一方で、現代では、部下からの上司、上司から部下という一方通行ではなく、多対多(部署・役職横断の相互傾聴など)の傾聴が重要な時代になっています。

では、なぜ、多対多の傾聴が重要なのでしょうか?

それは、現代が、明日何が起きるかわからない多様な価値観が併存する時代になっているからです。こちらについては、また別の機会にじっくり一緒に考えましょう。

最後に、プレゼンス(在り方)とは、開かれ、落ち着き、柔軟で、間(ま)を保持できること。強い感情や不確実性の中でも慌てず、騒がず、“今ここ”に在り続ける姿勢です。仙人や偉いお坊さんのような立ち振る舞いかもしれませんね。

そして、この3つは直線でなく循環します。

プレゼンスがある

→沈黙を保てる

→尊重が伝わり信頼が育つ

→本音が出て傾聴の質が上がる

→さらにプレゼンスが深まる。

といったイメージです。

ある、新任マネジャーさんのトライ

クライアント企業の新任マネジャーAさんからこんなお話を聞きました。

Aさん:「うちのメンバーは理解力が低くて困ってるんですよ。もうお世話が大変で・・・」

山本:「理解力が低くて困っているんですね」

Aさん:「そうなんです。」

山本:「どのように対応しているのですか?」

Aさん:「対応?とにかく、わかりやすくかみ砕きつつ、繰り返し説明するしかないですねぇ。たぶん、やる気や覚える気がないんだと思うんです。どうしようもないですね。」

よくある話で、皆さんにも同じような経験が多かれ少なかれあるのではないでしょうか?

山本「どうしようもないんですね・・・それは困りましたね・・・。」「次回からしばらく、次の3つのことを試してもらえませんか?3ヶ月後くらいに、どんなだったか教えて下さい。」

Aさん:「はぁ・・」

Aさんにお伝えした3つのこと

困り果てている新任マネジャーのAさんに対して「きっと効き目があるからやってみてください」とお伝えした対話のポイントは以下の3点です。

沈黙を恐れない。

沈黙は考える時間として歓迎する

②相手のペースに合わせる。

 相手の発話後は必ず6秒待ち、相手が返答する間合いを図ります。

③確認する。

「なるほど。今のは、〇〇ということですね?合っていますか?」

マネジャーがこのようなプレゼンス(在り方)で対峙すれば、メンバーは、安心して内省し、本音を言語化し、自分の言葉で次の一歩を選べる状態となると思うのです。

なぜなら、沈黙の容認と“相手のペースに合わせた対話”そして要約しつつ確認することで主導権がメンバーに戻るためです。

つまり、自分のペースが維持できることで心理的安全性が高まり、自分語りしやすくなるからです。

まとめ

沈黙は、会話の停止ではなく信頼が育つスペースです。

Aさんに対して私が提案した

「沈黙を歓迎する」

「相手のペースで6秒待つ」

「要約して確認する」

という3つのポイントは、メンバーの内省を促し、主導権を本人に戻し、結果として心理的安全性を高めるための工夫です。

上司が“急いで答えを与える人”から“安心して考えられる場を整える人”へと立ち位置を変えたとき、チームは自ら動き出します。

もし、あなたの1on1や会議に「手応えの薄さ」「本音が出にくい」という感覚があるなら、次の対話からこの3つに取り組んでみてください。あなたの待つ力は、関係と成果を同時に変える最小の一手です。

とはいえ、なかなか簡単なことではありませんから、じっくり腰を据えて取り組んでみてください。

もし、最初の一歩が踏み出せなかったり、途中で挫折しそうになったときは、どうぞお気軽にお声がけください。一緒に、解決の方向性を探していきましょう。

コラムのご感想や具体的なご相談は、こちらから、お気軽にお聞かせください!

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。