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人は、みんな“認められたい”のです―1日1アクノレッジのすすめ

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人は、みんな“認められたい”のです―1日1アクノレッジのすすめ

最終更新日:2025/11/17

みなさん、こんにちは!

「経営のモヤモヤをワクワクに変える!」

大阪・堺からみなさまのちょっとした変化を応援しています。ビジョン実現パートナー山本哲也です。

以前、沈黙に大きなパワーがある。だから、大切にしてください。あえて急がず、相手の言葉が出てくるまで“待つ”。この態度が場の緊張をほどき、本音が顔を出す土台になります!とのお話をしたと思います。

クライアントさんから

「ずっと沈黙してれば良いのか?」

「沈黙の次は、どうすればよい?」

とのご質問をいただきました。

今回は、沈黙の“次の一手”。アクノレッジメント(承認)を取り上げます。

はじめに:アクノレッジメントの定義をそろえましょう

「アクノレッジメントって、承認ってことは、つまりは“褒める”こと?」

「褒めるところなんてないよ・・・」

とおっしゃられるボスが時々おられます。

結論から言うと、似ているけれど違います。ここで定義を共有しておきます。

アクノレッジメント(承認)とは、

相手の「存在」「意図」「努力」「変化」などの事実に気づき、価値判断をできるだけまぜず、短い言葉で返すこと。

ポイントは、評価やアドバイスではなく、「あなたを見ているよ」というメッセージを届けるところにあります。

 たとえば、「すごい!」は評価です。

一方で

「初めに結論を話してくれて、それから根拠と具体的アクションの順に説明してくれたから、私は理解しやすかったよ」

これがアクノレッジメントです。

つまり、『事実+自分の受け取りを伝えること』なのです。

受け取った相手は、「褒められた」「認められた」「OKをもらった」など自分の都合の良いように解釈しますので、ご心配なく。

なぜ“褒める”だけでは足りないのか

 私たちは忙しいと、つい「よかった」「頑張ったね」と済ませがちです。もちろん悪いことではありません。ただ、それだけだと、相手は「表面だけ見られている」と感じることがあります。

アクノレッジメントが目指すのは、相手の内側にある意図や工夫、変化に光を当てること。そこに気づいて言葉にすると、人は「自分の大事にしていることをわかってくれた」と感じ、安心して次の一歩を踏み出せるようになります。

チームの関係性を畑に例えるなら、「沈黙」が土を耕す作業だとするなら、「承認」は水やりです。

そうそう、ちゃんと、はじめに「よいタネ」を植えてくださいね。

良い行動が必ず成功するような易しいミッションや指示(よいタネ)を与えて、沈黙を使って自分でやり方・進め方を考えることで主体性を育て、うまくできたら承認を与える。この一連が人を育てます。

アクノレッジは「鏡」であり「地図のピン」

 アクノレッジメントは、相手に対して鏡に映った自分の姿を見せる作業なのです。

評価やアドバイスをするのではなく、見えた事実と自分の受け取りを伝えます。簡単に一文で書きましたが、これはなかなかに難しい作業なんです。練習あるのみです。

もう一つの働きは地図のピンです。

具体的な事実を伝えることで、

相手は「何が良かったのか」「何を続ければいいのか」がしっかり理解できます。

例えば・・・「今日の会議、最後まで相手の話を遮らずに聞いていたね。私は場が落ち着いたと感じたよ。」

さらっと読んでしまった方は、指でなぞりながら、良く読み返してみてください。

どこにも「よかったね」「すごい!」などの賞賛の言葉はありません。事実があるのみです。

少々くどくなって恐縮ですが・・・

ただ「見た事実」と「自分の受け取り」があるだけ。それで十分伝わります。

“届く承認”の3つのコツ

  • 1:名詞・動詞・場面など、具体的なことを伝える。
  • 2:評価語を外し、事実+自分の受け取りを短く伝える。
  • 3:できればその場か当日中。新鮮なうちに伝える。

例えば、こんな感じ。

NG「さすが!」(評価のみで再現性が低い)
OK「要点を3つに絞ってくれたので、意思決定が早くできたよ。」(事実+影響)

一方、 同じ状況でも、言葉が変わると相手の受け取りは大きく変わります。ここからは、改善が必要な例をみてみましょう。


褒める系:「次は頑張ろう!」

励ましの気持ちは伝わるあるが、なんのことかがしっかり伝わらないかもしれないため根拠が弱くなりがちで、本人も何を続ければ良いのかがあいまいなままになる可能性があります。

評価混じり:「詰めが甘い。努力は認めるが…」

叱責が伝わって、反省は促せるかも知れませんが、萎縮して動きが鈍るリスクがありそうですね。

では、アクノレッジメント(承認)ではどうなるでしょうか?

「結果は悔しいね。最後まで仮説を検証して、提案書を3回直していたよね。私はその粘りが次の面談の土台になると感じたよ。」

 “存在・意図・努力”などの事実をそのまま伝えると、相手は自分で比較・修正し、次の一手を選びやすくなります。

社長、それは、誤解ですよ!

「承認って甘やかすことになるのでは?」

「 いいえ」承認とは、事実に基づいて「何が起きたか」を明確にする行為です。むしろ改善点の特定が早まります。

「承認する材料があったら苦労しないよ」

承認する材料は、いくらでもあるはずです。初めは、なかなか「見つけられない」ことが多いのです。もし、なかなか見つからないようなら、何かの行動の“前後の変化”や“意図・考え”・“準備”に目を向けてみてください。小さな子どもを見る視点で見て下さい。きっと見つかりますよ。

 「そんな時間がとれないよ」

1フレーズでOKです。「さっきの順番付け、助かったよ」なら10秒で終わります。大切なことは、ボクシングのジャブのように小さなパンチをたくさん繰り出すことが大切です。ジャブと同じようにじわじわ効いてきます。

まとめ:今日からできる「1日1アクノレッジ」


一日一善と言う言葉がありますが、それになぞらえて「1日1アクノレッジ」に挑戦してみませんか?

 朝礼で

「昨日〇〇ということがありました。これはお客さんの信頼感がアップするだろうね。」

1on1で

「先週より要点が3つに絞れていたから私は聞き取りやすかった。」
チャットで:「議事録の“決定事項、宿題、期限”と見出しをつけてくれたので、判断が早くなるね。」


会議のあとで

「反対意見に対して、一度うなずいてから質問していたね。場が落ち着いたと感じたよ。」

 大げさな言葉はいりません。“見えている事実”と“自分の受け取り”。これだけです。

ここまでお読みいただいたことで、ご理解いただけたと思いますが、 アクノレッジメントは、難しい理論ではありません。

評価やアドバイスの前に、事実と受け取りを返す。

たったそれだけのことです。ですが、この小さな順番の違いが、相手の心に大きな違いを生みます。

あなたは今日、誰のどんな行動に気づきましたか? その1つを、短い言葉で返してみてください。きっと、対話の手触りが少し変わります。

言い換え早見表(承認と褒めの違い)

▼基本パターン(評価語 → 事実+受け取り)
NG:さすが!
OK:要点を3つに絞って話してくれたので、判断が早くできたよ。

NG:完璧!
OK:数値の出典を全て脚注に入れてあって、信頼性が伝わるね。

NG:センスあるね!
OK:図の凡例を左上に置いたことで、初見でも流れが追いやすかったよ。

▼コミュニケーションの場面別
朝礼
NG:昨日はよかった!
OK:現場の事実確認→連絡→是正の順で報告してくれたので、全員の動きがそろったね。

・1on1
NG:もっと自信持って!
OK:質問の前に相手の発言を要約していたね。私は落ち着いて聞けたよ。

・会議運営
NG:ファシリもうまい!
OK:意見が割れたとき、論点を「目的」「判断材料」「決定事項」に分け直してくれた。議論が前に進んだよ。

・報連相
NG:助かった!
OK:トラブルの発生時刻、影響範囲、暫定対応の3点を一度で共有してくれたから、判断が速かったよ。

・メール・チャット
NG:ありがとう!
OK:議事録に「決定事項/宿題/期限」を見出しで分けてくれたので、タスクが取りこぼれないね。

最初の一歩が踏み出せなかったり、途中で挫折しそうになったときは、どうぞお気軽にお声がけください。一緒に、解決の方向性を探していきましょう。

コラムのご感想や具体的なご相談は、こちらから、お気軽にお聞かせください!

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。