みなさん、こんにちは!
「経営のモヤモヤをワクワクに変える!」
大阪・堺からみなさまのちょっとした変化を応援しています。ビジョン実現パートナー山本哲也です。
さて、経営者の皆様。2026年(令和8年)1月1日から、日本のビジネスルールに非常に大きな地殻変動が起きたことをご存知でしょうか?これまで長らく親しまれてきた「下請法」が大きく変わり、法律名も「中小受託取引適正化法(通称:取適法=とりてきほう)」へと進化しました。
昨今の原価高騰を受け、多くの中小企業が直面している「価格転嫁(値上げ交渉)」の課題。 前回のコラムでは、価格転嫁に向けた第一歩の重要性についてお伝えしました。今回は、実際の交渉に向けた「自社の取引の現状分析」と「法律の基本知識」にフォーカスしていきます。
大阪府の堺市や八尾市をはじめとする、日本のモノづくりを支える製造業の皆様、あるいはサービス業やフランチャイズ展開を行っている経営者の皆様にとって、自社を守るための重要な知識となります。
「業界の商慣行だから…」価格交渉を阻む3つの思い込み
私たちが日々、多くの経営者様から経営相談をお受けする中で、価格交渉のお話になると、必ずと言っていいほど次のような本音をお聞きします。
- 「うちの業界は昔からこの単価。商慣行だから諦めている」
- 「同業他社も同じ状況だから、うちだけ動いても変わらない」
- 「値上げを切り出したら、別の業者に乗り換えられて仕事がなくなりそうで怖い」

そのお気持ち、痛いほどよく分かります。しかし、勇気を出して一歩踏み出したことで、現状を大きく打破した企業様の事例をご紹介させてください。
【事例】「だまされたと思ってやってみましょう」から生まれた共闘体制
ある営業責任者さんも、「値上げなんて言えない」と悩んでおられました。しかし、原材料・エネルギーなど仕入先からの請求は増える一方。
そこで私は、
「このままでは手遅れになりますよ。いい仕事しているんならきっとわかってくれますよ。だまされたと思ってやってみましょう」
と資料をお渡しして、背中を押させていただきました。
彼は半信半疑のまま、まずは取引規模の小さな企業へ試しに見積りの見直しを打診してみたのです。すると、拍子抜けするほどすんなりと見積り提案が通り、「もっと早く、遠慮せずに必要な単価を提示しておけばよかった」と驚かれていました。
また、別の取引先(同じく中小企業)に打診した際は、こんな反応がありました。 「このご時世だから値上げは仕方がないよね。でも、大手の購買担当は厳しいからうちからの値上げは無理だわ。今回の値上げ分はうちで吸収させてもらいます。その代わり、しっかり仕事してくださいね」
この言葉を聞いて「それはあまりに申し訳ない」と感じたこのクライアントさんは、なんとその取引先に対して「交渉方法」や「提案書の作り方」を伝授し、共に最終製品メーカーへ価格交渉を行う「共闘体制」を構築しました。結果的に、大手メーカーへの価格転嫁に見事成功したのです。
一人で抱え込まず、正当な理由と手順を踏めば、状況は必ず動きます。そのためにも知っておきたいのが、自社の取引を守る「法律の知識」です。
自社を守る盾!知っておくべき「下請法(取適法)」の基本ルール
適正な価格で取引を行うために、まずは自社の取引がルールに則っているかを知ることが大切です。 ここでは、取引の適正化を守るための法律「下請法(下請代金支払遅延等防止法)」や関連する「取適法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律/フリーランス新法等)」の基本ルールを解説します。
1. 適用対象となる4つの「委託類型」
法律で保護の対象となる取引は、大きく以下の4つに分類されます。
- 製造委託: 部品加工や金型製造など、物品の製造を請け負っている(製造業に多いケース)
- 修理委託: 設備や物品の修理を請け負っている
- 情報成果物作成委託: ソフトウェア、映像、デザインなどの作成を請け負っている
- 役務提供委託: 運送、ビルメンテナンス、コールセンターなどのサービス提供を請け負っている(フランチャイズ本部からの特定の業務委託なども該当する場合があります)
御社の取引はどの類型に当てはまりますか?
2. 委託事業者(発注側)に課せられる「4つの義務」
皆様に仕事を発注する側(親事業者)には、以下の義務が課せられています。
- 書面の交付義務: 発注時、直ちに具体的な取引内容・価格を記載した書面を交付すること
- 支払期日を定める義務: 成果物を受領した日から60日以内で、かつ出来る限り短い期間内で支払期日を定めること
- 書類の作成・保存義務: 取引記録を書類として保存すること
- 遅延利息の支払義務: 支払いが遅れた場合、遅延利息を支払うこと
「発注書をもらっていない」「口約束だけで仕事が進んでいる」といった場合は、この義務が守られていない可能性があります。
3. 「買いたたき」などから自社を守る「11の禁止行為」
さらに、発注側には下請け企業を守るための「11の禁止行為」が定められています。特に以下の項目は、価格転嫁を阻む要因となりやすいため要注意です。
- 受領拒否: 注文した品物を正当な理由なく受け取らない
- 下請代金の支払遅延: 納品後60日を超えても代金が支払われない
- 買いたたき: 通常支払われる対価に比べて、著しく低い代金を不当に定める
- 減額: あらかじめ決めた代金から、正当な理由なく一部を差し引く
まずは、自社の現在の取引において、これらの「禁止行為」に該当する無理な要求がされていないかをチェックしてみてください。本日は、新しく施行された法律と関連エピソードを紹介させていただきました。何かのお役に立てばとてもうれしいです。

法律は「戦う武器」ではなく「対等なパートナーシップの基盤」
最後にひとつ、付け加えさせてください。 私たちは、この法律を盾に取引先と戦うことをすすめているわけではありません。
みなさまにもっとも求められているのは、
「高付加価値製品の継続的かつ安定した供給」ではないでしょうか?
価格転嫁の交渉は、それを実現するための最低限の支援を依頼する活動なのです。
また、取引先担当者もすでに法律改定を知っておられて、皆様からの申し出を待っている可能性も高いのではないでしょうか?(本来は大手事業者から配慮する必要がありますが…)
一方で、現実には、取引先のご担当者がこのことをご存じないこともまだまだあると感じています。そのため、法令の情報とともに自社の実情についてもお伝えする機会としましょう。これも「継続的かつ安定した製品供給」の責任を果たすパートナーとして、重要なお仕事ではないでしょうか?
まずは「現状分析」から。一人で悩まず専門家のサポートを
今回のコラムでお伝えしたかったのは、「自社の取引は、ルールに照らし合わせるとどういう状況にあるのか?」を客観的に分析し、交渉のテーブルにつくための「勇気」と「根拠」を持っていただくことが最大の目的です。
価格転嫁の悩みは、一社だけで抱え込む必要はありません。 「自社の取引は下請法の対象になるのか?」「どの公的機関に相談に行けばいいか分からない」とお悩みの場合は、ぜひ堺経営ラボ and nextへご相談ください。
私たちは、大阪、堺、八尾、松原、和泉、高石などのエリアを中心とした中小企業の皆様へ向けた【初回無料相談】を実施しております。専門家が皆様の状況を丁寧にお伺いし、次の一手を共に考えます。どうぞお気軽にお問い合わせください。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この変化を、単なる「面倒な値上げ交渉」で終わらせるのか。それとも、自社の「付加価値」を再定義し、新しいビジネスモデルを創り出す絶好のチャンスと捉えるのか。 今、時代は大きく動きつつあります。この動きにしっかり乗っていきましょう!
「経営のモヤモヤをワクワクに変える!」 私たちと一緒に、この大転換点を力強く乗り越え、新しいステージへと進んでいきませんか?
なぜ私たちが「価格転嫁」支援に熱く注力してきたのか?
国も本腰を入れるこの転換期ですが、私たち「andnext」は、先んじて一昨年来、多くの中小零細企業の皆様の価格転嫁支援に注力してきました。
なぜ、私たちがこれほどまでにこだわるのか?
それは、日本の優れた技術を支え、活気ある「おもろい大阪」の屋台骨となっている中小零細企業に、真に活性化してほしいと強く願っているからです。
コストカットの努力はもちろん尊いですし、生き残るための値上げ(価格転嫁)交渉は「守り」の施策として絶対に必要です。しかし、それだけでは企業の明るい未来は拓けません。
私たちが目指す本丸は、その先にある「付加価値アップ」なのです。

この変化を、単なる「面倒な値上げ交渉」で終わらせるのか。それとも、自社の「付加価値」を再定義し、新しいビジネスモデルを創り出す絶好のチャンスと捉えるのか。
今、時代は大きく動きつつあります。
この動きにしっかり乗っていきましょう!
「経営のモヤモヤをワクワクに変える!」
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ここが気になる!「取適法」と「付加価値アップ」のモヤモヤ解消Q&A
今回の法改正や、私たちが提唱する「付加価値アップ」について、経営者の皆様からよくいただくご質問(モヤモヤ)に、Q&A形式でお答えします。
次回予告
とはいえ、いくらに設定すればよいのか?これまでは、他社や業界相場だけを意識してきたので、自分たちの適正価格がわからない・・・
というみなさまも多いのではないでしょうか。
次回は、この「自分たちの適正価格はいくらか?」について一緒に考えたいと思います。どうぞお楽しみに!
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