みなさん、こんにちは!
「経営のモヤモヤをワクワクに変える!」
大阪・堺からみなさまのちょっとした変化を応援しています。ビジョン実現パートナー山本哲也です。
これまで2回にわたり、コスト高騰下における価格転嫁(値上げ交渉)の重要性と、2026年1月に施行された「取適法」の基本ルールについてお伝えしてきました。
「よし、法律のことはわかった!さっそく取引先に値上げ交渉だ!」
……少し待ってください。
その前に、社内で必ず確認しておかなければならない、とても大切なステップがあるのです。
それが、「内部環境(自社の原価・収益構造)の正確な把握」と「自社の本当の価値(付加価値)の見つけ方」です。今回は、この2つのテーマにフォーカスしてお話しします。
「相場」で見積もりを出している、その営業担当者に伝えたいこと

私は日々、さまざまな業界の中小企業経営者様や、現場最前線で働く営業担当者の方とお仕事をさせていただいています。その中で、ずっと気になっていることがあります。
営業担当者の方に「見積もりは、どういう根拠で計算していますか?」とお聞きすると、驚くほど多くの方が口を揃えてこう答えるのです。
「業界の相場に合わせています」
「競合他社がこのくらいを出してくると思うので」
「前回のお客様への見積もりをそのままベースにしました」
お気づきでしょうか? これらの根拠は、すべて「外部環境(相場・競合)」や「過去の慣習」です。「自社の現在の原価構造」を正確に理解したうえで見積もりを作っている営業担当者は、本当に少ないのが実情です。
さらに言えば、「会社として今後どんな方向で商売していきたいのか」という経営戦略が、現場にきちんと浸透していないケースも非常に多いのです。
「薄利多売でもシェアを取りにいくのか?」
「それとも付加価値をしっかり乗せて、利益率の高い仕事に絞っていくのか?」
こういった会社の方向性を尋ねると、経営者の皆様からは「いつも口酸っぱく言っているのに、どうして現場はわかってくれないのか…」とため息が出ます。でも実は、経営者ご自身も、日々の忙しさに追われて「相場頼み」の思考になってしまっていることが少なくないのです。
外部環境を知ることは、もちろん大切です。でも、それと同じくらい内部環境(自社の原価・利益構造・経営方針)を知らなければ、取引先を納得させる論理的な価格交渉など、できるはずがありません。
「どんぶり勘定」からの脱却!原価計算が価格交渉の最大の武器になる

価格交渉の目的は、ひとつ。「適正な利益を確保すること」です。
売上が上がっても、それ以上にコストがかかっていれば、お金は会社に残りません。
たとえば、1杯800円のラーメンを作るのに、材料費や光熱費などの「変動費」がいくらかかり、家賃や基本の人件費といった「固定費」がいくらかかっているか。これを把握していなければ、「1杯1,050円のチャーシューメンが売れた方が本当に儲かるのか?」「材料費が10%上がった時、今の価格のままで耐えられるのか?」という判断が、まったくできなくなります。
では、価格交渉のテーブルにつくために、何から始めればよいのか?
3つのステップでご説明します。
✅ ステップ1:製品・サービス単位での「原価把握」と「業務フロー」の整理
まず、自社の製品・サービスを提供するために「どれだけの時間と費用(原材料費・労務費・エネルギー費など)」を投入しているかを定量的に把握する、「原価計算」が必須です。
そして、見積もりを作る前に、代表的な業務ごとに作業手順を整理した「業務フロー」と「見積チェックリスト」を作成することを強くお勧めします。
特にサービス業・IT・デザインなど無形商材の場合、「仕様が固まっていないのに見切り発車で見積もりを出してしまい、後から修正が重なって大赤字になった」というケースが後を絶ちません。チェックリストで不確定要素(見えないリスク)を事前に洗い出し、赤字受注を構造的に防ぐ仕組みを作りましょう。
✅ ステップ2:自社の強みを反映した「単価表」を作成する
正確な原価が把握できたら、次はそれをベースにした「単価表」の作成です。
たとえばデータ入力の仕事なら「ベテランが担当する場合の単価」と「標準スキルの場合の単価」を分ける。Web制作なら「オリジナルデザインの松プラン」「テンプレート活用の梅プラン」など、パターンを明文化する。
単価表があれば、発注内容がまだ固まっていない引き合いの段階でも、「Aの仕様ならこの価格、特急対応を追加するとこの価格です」と、自社の価値と価格の関係を堂々と提示できるようになります。
💬 山本の現場エピソード
実は私自身も、前職のビルメンテナンス・ハウスクリーニング時代、単価表をほとんど使いませんでした。清掃範囲や難易度がケースバイケースで幅広く、単価表どおりに出すと逆にお客様の負担を上げすぎてしまう場合もあったためです。
「誰をアサインして、コストやリスクは何か?」を常に頭に入れながら、お客様のご要望をうかがっていました。
「うちも同じだ」という業界の方も多いのではないでしょうか?
ただ、チームの中には単価表をそのまま活用して、高い粗利率で受注してくるメンバーもいて、毎回驚かされました。単価表は、営業担当者の「心の支え」であり「根拠資料」として、確かに機能するものだと今も感じています。
✅ ステップ3:根拠を持った「価値の提案」へ
原価と単価表が整理できれば、あとは取引先に丁寧に提示するだけです。
「原材料費がこれだけ上がり、労務費もこれだけ上昇しています。適正な品質を維持するためには、この単価表に基づく価格改定をお願いしたいのです」
これは単なる「お願い」ではありません。客観的なデータに基づく、対等な「ビジネスの協議」です。
顧客が御社を選ぶ「本当の理由」は、意外なところにある

ここまで「数字と論理」の話をしてきました。でも、これはあくまで「自社都合」の情報です。顧客に喜んで取引していただくための最大の武器は、顧客が感じる「付加価値」にあります。
価格交渉のお手伝いをしていると、「うちには特別な技術なんてない。値上げを言ったらすぐに乗り換えられてしまう…」と不安を口にされる経営者様が、本当に多くいらっしゃいます。
でも、付加価値とは「世界初の特許技術」だけではありません。
ぜひ一度、長くお付き合いのある既存のお客様に、「なぜ、いつも当社に仕事を依頼してくださるんですか?」と直接聞いてみてください。きっと、皆さんが想定しているのとは違う、意外な答えが返ってくるはずです。
かくいう私たちも、以前は「お客様が選んでくださる理由は、中小企業診断士チームとしての専門的なノウハウだろう」と勝手に思い込んでいました(笑)。でも実際に聞いてみると、こんなお声を多くいただいたのです。
- 「親身になって、話を聞いてくれるから」
- 「難しい経営の話も分かりやすいし、なにより面白いから」
- 「上から目線の”先生”ではなく、知人のように気軽に相談できるから」
- 「レスポンスが早くて安心できるから」
これらはすべて、立派な「付加価値」です。
皆さんの会社でも「納期を絶対に遅れない」「急な仕様変更に小回りが利く」「現場がいつも綺麗に整頓されている」など、お客様が感じている「御社ならではの価値」が必ずあるはずです。
その価値に自ら気づき、言語化できた時、価格交渉は「申し訳ない値上げのお願い」から、対等な「価値の再確認と提案」へと大きく変わります。
モヤモヤをワクワクに変える、壁打ちを始めませんか?
「自社の本当の原価が分からない」
「単価表を作れと言われても、何から手をつければいいか…」
「お客様に強みを聞くなんて、なんだか気恥ずかしくて…」
そんなモヤモヤを、どうか一人で抱え込まないでください。
外部の専門家(コーチ)からの客観的な問いかけを受けることで、自分たちでは当たり前すぎて見えていなかった「自社の本当の価値」に、ハッと気づく瞬間がたくさんあります。
私たちは皆様の「壁打ち相手」として、【初回無料お試しセッション】をご用意しています。
価格交渉というピンチを、自社の価値を再定義し収益構造を筋肉質に変える「絶好のチャンス」と捉えましょう。あなたの会社の「見えない価値」を一緒に探し出し、堂々と新しいステージへと進んでいきませんか?
※ 無理な営業は一切いたしません(笑)
コラムのご感想や具体的なご相談は、こちらからお気軽にお聞かせください!
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
💡 よくあるご質問(FAQ)
📚 あわせて読みたい「価格転嫁シリーズ」





