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小学生40人にPDCAを教えたら、社長と同じところでつまずいた話

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小学生40人にPDCAを教えたら、社長と同じところでつまずいた話

最終更新日:2026/08/23

みなさん、こんにちは!

「経営のモヤモヤをワクワクに変える!」

大阪・堺からみなさまのちょっとした変化を応援しています。ビジョン実現パートナー山本哲也です。

年度初めに事業計画を立てた。会議もした。現場もようやってくれた。
それやのに、半年たって振り返ってみると——「去年と、あんまり変わってへんなぁ…」

こんなモヤモヤ、ありませんか。

PDCAという言葉を知らない経営者は、まずいません。研修でも聞くし、本にも書いてある。それでも、回らない。なぜでしょうか。

先日、その答えのヒントを、思いがけないところでもらいました。小学生40人から、です。

夏休みの小学校で、「お片づけ」からPDCAを教えてきました

堺経営ラボ and next は、堺市教育委員会の「企業による学びの応援プログラム」に登録団体として参画しています。企業や団体の地域貢献活動を学習プログラムとして登録し、学校園や放課後の居場所などへ無償で届ける、という仕組みです。

2026年8月7日、堺市立西陶器小学校の「のびのびルーム」にお邪魔しました。夏休みの真っ最中、集まってくれたのは小学1年生から5年生まで、40名。テーマは「お掃除・お片付けのコツからPDCAを学ぶ」です。

小学生にPDCA。無茶やと思われるかもしれません。私も最初はそう思いました。
そこで、言葉をぜんぶ、こう置き換えてみました。

P(プラン)……いつ、どこで、誰と、何を、どんなふうにやろうかな? と考えること

D(ドゥ)……一生懸命やること、あきらめないこと

C(チェック)……自己採点をして、もっと上手にできそうなところを探すこと

A(アクト)……前回よりも上手に、楽しくできそうな小さなアイデアを、メモにすること

PとDはスラスラ。CとAで、手が止まった

驚いたのは、PとDの理解の速さです。

「いつ、どこで、誰と」——低学年の子でも、すぐに言えます。「一生懸命やる」「あきらめへん」にいたっては、大得意。むしろ大人より真剣かもしれません。

ところが、CとAに入った瞬間、教室の空気が変わりました。
手が止まる。目が泳ぐ。「えー……」という声。

自己採点をして、もっと上手にできそうなところを探す。
前回よりよくなる小さなアイデアを、メモに残す。

ここが、いちばんしんどいのです。

「もっと頑張る!」「本気出す!」なんて子もいました。

正直に白状します。私、ちょっとホッとしました。
「あぁ、大人だけちゃうんや」と。

なぜ、CとAだけが後回しになるのか

PとDには、前に進んでいる感覚があります。計画を立てるのは楽しい。実行すれば、汗をかいた実感が残ります。

でも、CとAは違います。

チェックは、終わったことに向き合う作業です。しかも、うまくいかなかったところを、自分で探しにいく。気持ちのええ作業ではありません。

アクトは、次の一手を「言葉にして残す」作業です。頭の中でぼんやり思うだけなら誰でもできますが、メモにするとなると、途端に面倒くさい。

つまりCとAは、その場で達成感が出ない工程なんです。
だから後回しになる。忙しければ、なおさら飛ばされる。

これは能力の問題でも、やる気の問題でもありません。8歳でも、58歳でも、同じ構造でつまずきます。

ちなみに、Cで手が止まった子が最後にたどり着いた答えは「もっと頑張る!」「本気出す!」でした。根性論は、もう8歳から始まっているんです(笑)。

これ、会議室でもよく聞きませんか。具体的な改善案を出すのはしんどい。だから精神論に着地する。「気合いが足りない」は、Cから逃げるときの、いちばん便利な言葉なんです。

会社で「PDCAが回らへん」と言うとき、たいてい止まっているのはCとAです。計画書はある。現場も動いている。でも、振り返る場がない。改善案が、誰の頭の中にも残っていない。だから翌年もまた、よく似た計画を立てることになるのです。

PDCAサイクルのうちCとAの部分が点線で途切れている図

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「今からこの癖をつけたら、最強やで」

授業の最後に、子どもたちへこう伝えました。

「今からこの癖をつけたら、最強やで」

チェックとアクトは、才能ではなくです。歯みがきと同じで、習慣になってしまえば、しんどくなくなる。

これは、そのまま経営者のみなさんへの言葉でもあります。
CとAが弱いのは、社長の資質のせいではありません。ただ、仕組みになっていないだけなんです。

まずは、この3つから始めてみてください。

① 月に一度、30分でいい。振り返るためだけの時間を、カレンダーに固定する

② うまくいかんかったことを、ひとつだけ挙げる。探しすぎない

③ 次に試す小さなアイデアを、一行でいいからメモに残す

たったこれだけで、PDCAは回りはじめます。
大事なのは、立派な様式ではありません。続くかどうかです。

ちなみに授業のあと、「将来どんなお仕事する?」と聞いてみました。
アイス屋さん、野球選手、ダンサー、けん玉。そして「ぼくは阪神になる!」という大物も。YouTuberが一人もいなかったのは、低学年だからでしょうか。

この子たちが働く頃、私たちの会社はどうなっているかな——そんなことを考えながら、帰路につきました。

一人で続けるのは、しんどい。だから伴走者を

とはいえ、です。

チェックとアクトを一人で続けるのは、正直しんどい。小学生でも大人でも、そこは変わりません。だからこそ、ペースメーカーがいると強いのです。

私は現在、よろず支援拠点内に開設された「生産性向上支援センター」の生産性向上支援サポーター(専門家)を務めています。5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)やムダの削減といった足元の改善から、デジタル化・自動化・AIの活用まで現場へ直接お伺いし、御社に合った「次の一手」を一緒に考え、実行までサポートする支援です。

要するに、御社のCとAを、一緒に回す役割です。

「計画は立てたけど、そこで止まってる」
「振り返りの時間が、どうしても取れへん」

そんなモヤモヤがあれば、先送りはやめましょう。
モヤモヤをワクワクに変える一歩を、今日も一緒に踏み出しましょう!

よくあるご質問

Q. PDCAが回らないのは、社員のやる気が足りないからですか?

やる気の問題であることは、ほとんどありません。多くの場合、止まっているのはC(チェック)とA(アクト)です。この2つは、その場で達成感が得られない工程のため、忙しいと自動的に後回しになります。仕組みとして時間を確保することで解決するケースが大半です。

「モヤモヤ」を「ワクワク」に変えるヒント:「やる気」の話にした瞬間、打つ手がなくなります。仕組みの話に戻すと、明日からできることが必ず見つかります。

Q. 振り返り(C)は、どのくらいの頻度で行えばよいですか?

決まった正解はありませんが、まずは月に一度・30分から始めることをおすすめしています。頻度を上げるより、続けられる間隔を選ぶことのほうが重要です。カレンダーに固定の予定として入れてしまうと、続きやすくなります。

「モヤモヤ」を「ワクワク」に変えるヒント:完璧な月次会議より、続く30分のほうがずっと効きます。まずは1回だけ、カレンダーに入れてみてください。

Q. 従業員数の少ない会社でも、PDCAは必要ですか?

むしろ小規模な会社ほど効果が出やすいと考えています。人数が少なければ、決めたことがすぐ全員に伝わり、翌日から試せるためです。大切なのは立派な様式を整えることではなく、振り返りと改善が習慣として続くことです。

「モヤモヤ」を「ワクワク」に変えるヒント:人数が少ないことは弱みではなく、武器です。決めた翌日から試せる会社は、そう多くありません。

Q. 堺市「企業による学びの応援プログラム」とは何ですか?

堺市教育委員会が推進する地域学校協働活動の一つです。企業や団体の地域貢献活動を学習プログラムとして登録し、市内の学校園やPTA、放課後の居場所などへ提供する仕組みです。堺経営ラボ and next も登録団体として参画し、無償で講座を実施しています。

「モヤモヤ」を「ワクワク」に変えるヒント:子どもに教えるために言葉を削る作業は、自社の当たり前を言語化し直す訓練になります。社内研修の設計にも、そのまま効いてきます。

※本コラムの内容は執筆時点の情報に基づいています。