品質と納期、そして雇用を守る”経営の必須スキル”です
みなさん、こんにちは!
「経営のモヤモヤをワクワクに変える!」
大阪・堺からみなさまのちょっとした変化を応援しています。ビジョン実現パートナー山本哲也です。
9月は、秋の「価格交渉促進月間」でした。読者の中で値上げなどの取引条件変更について顧客と話し合う機会は持てましたか?
先日、あるクライアントさんから「トータルの粗利が約10%改善見込み」とのうれしい報告をいただきました。
「どんな風にに取り組んだのですか?」とお聞きしたところ・・・
①取引先を取引内容に応じてカテゴリ分けを行い
②根拠とともに値上げの依頼を簡単なA4一枚の資料でご説明
③返答期限を切って、事前に検討した交渉内容を順に提案
たったこの3つだけ。とのこと。
もちろん、はじめは気まずさもあり、相当のストレスでしたとのこと。ただ、当初想定していたよりも、取引先からの抵抗は小さかったので少しだけ拍子抜けした。とのこと。
当社セミナーでお伝えした通り愚直に実践していただいたようで、とても頼もしい限りです。
まずお伝えしたいこと

「交渉=気まずい」と感じる方は多いのではないでしょうか?
私もまったく同感ですし、普通の人の感覚だと思います。
では、どうやってそれを克服すればよいのでしょう?
それは・・・
「気合い・・・」
ではなく準備を大切にする」ことです。
数字と事実をA4一枚程度の資料にまとめ、静かに、落ち着いて伝える。
たったこれだけで交渉の主導権をこちら側に持ったまま、スムーズにスタートすることができます。
実際、セミナーで私がお話したことを自社向けにアレンジして実践した企業では
「嫌味は言われたが解約ゼロ」
「粗利が合計で約10%改善見込み」
というお話を数社から報告いただいています。
最初から満点を狙う必要はありません。誰にでもできる型や仕組みを持つことがとても大切ではないのでしょうか?
”しっかりした準備に必要な資料”は、中小企業庁があらゆる形でネットなどで公開しています。毎回の価格転嫁・戦略セミナーでは、その資料の使い方の細かなコツや、そもそもの”価格戦略の立案”について、陥りやすいポイントとその対策を加えて、お伝えしています。
(中小企業庁のサイトURLはコラムの最後にまとめて置いておきます)
セミナーに参加くださった企業担当者さんからは、「勇気がわいてきた」というとってもうれしいコメントを多数いただいています。中小企業庁さんに感謝ですね。逆に言えば、それだけ、経営者や営業マンは、価格交渉に不安を抱えているということですよね。
一方で、「機会があればやります」「社長と相談してから」との消極的な方も一定数いますね。もちろん、消極的な気分になることは本当に理解できます。私だってクライアントさんにお金の話をするのは気が引けますから・・・。
そんなみなさんによくある事例を共有しますので、ぜひ勇気を出していただきたいです!!
現場で本当に起きたこと
これは、何も特別な事例ではなく、セミナーの通りに実行したクライアントからの報告あるあるです。
製造業A社は、自動車や家電などの部品を製造する典型的な下請け中小企業。大半の受注が、3次から4次下請けにあり、最上流は、日本を代表するモノづくり企業ばかり。
取引先は数百社に上ります。
今回の価格交渉目標はおおむね10%アップ。
セミナーのワークショップで練習した通り、エビデンスとともに、値上げ見積もりを作成し、各社へ送付。もちろん、Sランク・Aランクの大口顧客には上司とともに直接訪問して、ご説明と協力依頼を丁寧に行いました。
一方で小口取引先には、メールやファックスで同様の書式に締め切り期日を記載し、送付する程度にとどめました。さすがに、すべての取引先に対してSランク・Aランクの取引先と同じだけの労力を欠ける余力は在りませんから。
もちろん、顧客からのリアクションが集中してもフォローできる企業数を計算し、順次発送するようなちょっとした工夫はしました。
でも、たったこれだけです。
交渉相手の取引先さんの中には、上流にある大企業への交渉をする勇気がなく、「自社で吸収します」とおっしゃる企業さんもあったそうです。また、「価格転嫁促進月間」のことや価格交渉のやり方をご存じない企業さんも意外に多くあったようです。
そこで、担当さんは、
「うちがどうやって資料を作成しているか共有しましょうか?」
「交渉に応じない大手さんは企業名が公表されることをご存じですか?」
ご希望に応じて、自社のフォーマットをお渡しし、作成方法をレクチャーして差し上げ、たいへん喜んで頂けましたとのこと。まさにWin-Winですよね

次の課題も見えてきた。
価格交渉を進める中で新たな課題も見えてきました。
エネルギーや原料価格、人件費情報のエビデンスの入手方法や資料の提示だけで、大半の取引先は納得してくれたのですが、一部からは次のような要望をいただきました。
「原価やコストアップは理解した」
「いま、うちが仕入れている製品ひとつひとつにその原料や労務費どれくらい投入されているのか」
「単価を今のまま維持してもらうために発注数をどれくらいに増やせばよい?それとも納期を長くしてもらってもよいが・・・」
交渉が価格以外の分野にまで発展していきました。
ところが、このA社では、製品別やロット別の原価の見直しを十年以上放置しているとのこと。即答できなかったため、これをきっかけに製図原価の見直しや生産工程・生産計画の見直しに着手することになりそうだとのこと。
やぶへびとはこのことかも知れませんが、製造原価の把握は、できていて当たり前のことです。
価格交渉が、製造業の原点を考えることに繋がった良い事例だと思います。
本日のまとめ
ここからは余談ですが・・・
次は、価格交渉で培った交渉術を活かして、頑張ってくれたスタッフに報いるためにも、経営層に対して賃上げのための交渉をしようかな?とのこと。
価格交渉は、単に会社が儲けるだけではなく「人材と品質を守る条件整備」という認識を持ったそうです。
最後に、価格交渉に終わりはありません。次回の交渉をいつ、誰が、どこと、どのように、いくらで実施するのか?についても、今の段階で決めておくことを提案しました。なぜなら、取引先との交渉は、ダイエットと同じで、太ってしまってからでは遅いのです。食事制限や激しい運動などたいへんな思いをすることになるのです。
このような日頃のちょっとした運動(交渉)が健康な身体と心を作るのではないでしょうか?
もし、最初の一歩が踏み出せなかったり、途中で挫折しそうになったときは、どうぞお気軽にお声がけください。一緒に、解決の方向性を探していきましょう。
コラムのご感想や具体的なご相談は、こちらから、お気軽にお聞かせください!
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。





