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コーチングは、”コーチを受ける人”のためにだけあるのだ。<前編>

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コーチングは、”コーチを受ける人”のためにだけあるのだ。<前編>

最終更新日:2022/05/01

▼はじめに

 本日は、「コーチングって言葉は知っているけど、一体何をしてくれるの?」「トップの人が使ってる手法?」「せっかくだから少し知っときたいかも」ともやもやしている皆さんに向けて、私がこれまで学んできたことをお伝えして少しでもすっきりしてもらおう思います。
 いつも通り、おふざけもいれつつ楽しい読み物にしようと思っていますので、そんな中から何かちょっとした気づきがあなたの中に生まれてくれることを願っています。そして、もし少しでも興味を持たれましたら、あなたにもコーチを目指していただいても良し、コーチングを受ける側になっても良し、とにかく行動していただきたいのです。そして、身近な誰かに貢献したり、身近な誰かから学びましょう。

▼コーチングにおけるとても大切な3つのこと

 コーチングや対話を進める上で、とても大切なことが3つあります。
 まずは、対話という名前にもある通り双方向であるべきです。先輩や上司から一方的に学校の先生のように話すのはティーチングの領域になります。そして、外部環境は、常に変化していますし、コーチを受ける人自体も成長するため、変化しています。ですから、コーチングセッション(対話)は、随時見直しを行い、目標すらも変化させていく必要があります。

そして最後に本日の本題です。
コーチングには、お作法はありますが、決まりきった型はなく、コーチを受ける人を第一優先に捉え、柔軟な対応がもっとも大切なことです。その理由は、次にまとめてみました。

▼コーチングとは

「目標達成に必要な知識、スキル、ツールが何であるかを棚卸しし、それをテーラーメイド(個別対応)で備えさせるプロセスである」(出所:コーチエイ)です。”テーラーメイド”とは、”個別対応をしましょう”という意味です。つまり、コーチングでは、一人ひとりの思考や行動のパターンといった特徴を把握して、コーチを受ける人(クライアント)にとって最も効果的な関係性や接し方を行うことをとても大切な価値観として設定しています。

ではなぜ、個別対応を重視しているのでしょうか?その理由は、簡単です。コーチングは、コーチを受ける人の目標達成を支援するために存在するからです。コーチングを受ける人がもっとも成長しやすいように個別対応をすることは、ごくごく自然なことなのです。
 「褒められて伸びるタイプ」や「逆境をばねに頑張るタイプ」なんてことを聞いたことがあると思いますが、同じようなものです。コーチングを受ける人を中心に考えて接しましょう。

▼個別対応を難しくする私たちの中の3つの本能

「個別対応が大切。そんなことはわかってますよ・・・」ではなぜ個別対応は難しいのでしょうか?または、簡単なのだとしたらなぜ私たちはそれができないのでしょうか?
私たちが、チームメンバーや周りの人たちに対して個別対応がうまくできない理由は2つあります。1つは、個別対応がしずらい、邪魔をする要因があることもう一つは、個別対応の方法が分からないことです。

阻害要因1:レッテル

メンバーの過去の言動や行動などから、「Aさんは、○〇な人だ」というレッテルを貼って区別したり、決めつけたりしていることはないでしょうか?レッテルの度が過ぎると、Aさんの未来の行動を勝手に予測・制限してしまうことになります。
人には、外敵から自分の身を守るための本能として、自分の周りの人が「味方なのか?敵なのか?」「どんな行動パターンを取る人なのか?」知らず知らずのうちに判断しています。このように本能であるからこそ気をつけても気をつけてもきりがないほどであることを常に意識しておきましょう。

阻害要因2:ステレオタイプ

次に”ステレオタイプ”といものが私たちを制約します。例えば「おじさんは・・・〇〇だから・・」とか「今どきの若い子は・・・」人間ですので、初対面での第一印象などを自然に持ってしまうことはあるでしょう。しかし、このように、相手の属性から未来の行動を予測したり、思考や行動をパターン化してしまうことは、相手の能力を新たに開発するためには邪魔でしかありません。こちらも、周りの人たちとのうわさ話などを通じて強化されてしまいます。うわさ話もほどほどにすること、クリティカルシンキングについても身につけておきたいスキルの一つです。

阻害要因3:二極化

この二極化も私たちが自然にしてしまう行動であり、個別対応を誤らせる行動でもあります。具体的には、相手との接点で発生するすべての事象を2つに分けてしまう行動です。具体的には、自分と相手を区別して、”知っている”と”知らない”、”勝ち”と”負け”や、”真面目”と”不真面目”などが一例です。

▼個別対応を助ける4つの分類

コーチングを受ける人に対して個別対応を行うためには、100人いれば100通りの接し方があるわけですが、もう少しおおざっぱには分けて対応策を身につけたいですよね。そのためには、二極ではなく以下の様に4分類程度に分けて考えてみましょう。と言っても実は、対応策を4つ持つわけではなく4つに分類するところにコツがあるのです。

つまり、”個別対応”ってコミュニケーションの手段やテクニックではなくプロセスなのです。このあたりがコーチングのとっつきにくいところかもしれません。

▼タイプ分けには大きく4つあります。

コントローラー:人から指示されることを何より嫌うトップダウン型

サポーター:ビジネスよりも「人」優先で、「和」を重んじる気配り上手

プロモーター:注目こそがやる気の源の、エネルギッシュなアイディアマン

アナライザー:客観的な視点で問題解決を行う完全主義者

(出所:コーチエイ)

あなたは、どのタイプでしょう?少し考えてみてください。私は、このタイプ分けがとても苦手でした。自分がどのタイプか分類できないように人のことも自分のこともうまく分類できませんでした。おそらくは、日頃からクリティカルシンキングをしすぎているのだと思います。

私は、コントローラー&サポーター

私は、人に指図されるのが大嫌いのあまのじゃくです(笑)。でも、支援先など「応援したいな」「いいね!そのアイデア」とピンと来た時には、じっとしていられないたちなのです。知らず知らずのうちに、コントローラーの部分とサポーターの二つのタイプの中間または、行ったり来たりしているのだと思います。あなたは、どのタイプでしょう?
このように決して全員が4つのどれかにぴったり当てはまることがないのがタイプ分けなんです。先述のように相手を「この人はどのタイプかなぁ」と考えながら接することで、相手の一挙手一投足に注目しながら関係性を作っていくところに活用のポイントがありそうですね。
あなたもまずは、自分のタイプ分けを考えてみてください。どうでしょうか?「会議の時は、〇〇だけど、飲み会では・・・」などといろいろな場面、いろいろな相手によって変わる自分の行動を思い浮かべたのではないでしょうか?この、”いろいろな場面を想像するところ”が、相手に関心を持つということなのです。苦手な相手とのコミュニケーションの時こそ活用することで落ち着いて相手に合わせたコミュニケーションができそうですね。

▼まずは、相手を知ろう

実は、先ほど紹介した4分類は、相手を4分類にするわけのツールではありません。それでは、二極化が四極化になったにすぎませんよね。ではなくて、「この人はどんな人だろう」「この人はどういうタイプだろう」このように考えながら、相手を観察することで、相手に対する意識が高まり、結果として相手に興味・関心が湧いてきます。
それによって、得られる効果としてこんなことがあります。「イマイチ話が通じないひとだなぁ」とか「苦手なタイプ」みたいに思っていた相手についても分析することで、「ただ単にタイプ分けが自分とは違うためにミスコミュニケーションや不一致が発生したんだ」と気づいたり、思い至ることができます。
そうすると、「次からは××に気をつけてコミュニケーションをしてみよう」というような思考の変化が起き、個別対応ができるようになりそうです。

個別対応ができるようになれば、今まで以上にたくさんの方と上手に接することができるようになり、たくさんの情報・人脈を得ることできます。

▼まとめ

今回は、コーチングを受ける人に対してどれだけ関心を持ち、どのように観察すべきかのコツについてまとめてみました。今回は、少し短いですが、タイプ分けを行う理由やその有用性についてご理解いただけたでしょうか?もし、何か疑問や質問、異論がありましたらぜひ対話しましょう。お問い合わせからご連絡くださいませ。

最後までお読みいただきありがとうございました。次回は、4つのタイプの分け方とその接し方について書いてみたいと思います。

中小企業診断士 山本 哲也

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「コーチングは、”コーチを受ける人”のためにだけあるのだ。<中編>」はこちらから


コーチングは、”コーチを受ける人”のためにだけあるのだ。<後編>」はこちらから