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対話の効果を最大限にするテクニックとは?!

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対話の効果を最大限にするテクニックとは?!

最終更新日:2022/08/25

みなさんこんにちは!大阪府堺市を中心に経営支援コンサルティングとコーチングで悩み多き経営者のお手伝いをしています。山本哲也です。今回は、よい対話を進めるために土台となる信頼関係の構築に役立つスキルについて、一緒に学んでいきたいと思います。

営業拠点の責任者だった頃の私は、とても悩み多き時期でした。

「若手の離職率抑制は当たり前。戦力化も進めよ!と上は簡単に言うけれど、一体どうしたら?」
「若手ともっと対話したいけど、飲み会って時代じゃないし・・・」
「今どきの若者は、何を考えているのやらイマイチよくわからない」
「1on1っていうのがいいらしいけど、どうすればよいのか?」
などと日々もやもやしていました。

このように私と同じようなお悩みをお持ちの経営者、中間管理職や人事担当者に向けて、私がこれまで学んできたことをお伝えすることで“対話の重要性”だったり、“良い聞き手になるコツ”だったり、“効果的な聞き方”だったりを知っていただきたいと考えています。そして、少しでも皆様の思考がすっきりしていただければ幸いです。


 いつも通り、リラックスしながらお読みいただけるようにと思っていますし、何かちょっとした気づきがあなたの中に生まれてくれることを願っています。

そして、もし少しでも興味を持たれましたら、あなたにもコーチを目指していただいても良し、コーチングを受ける側になっても良し、とにかく行動していただきたいのです。そして、身近な誰かに貢献し、身近な誰かから学びましょう。

お家の守り神 渡嘉敷島のシーサー
当社堺なかもず経営支援センターもコンサルティングやコーチングの提供を通じて御社の従業員さんを守りたいです。
お家の守り神 渡嘉敷島のシーサー

▼対話の効果を最大限にするテクニックは6つ

結論から先にお伝えします。対話の効果を最大限にするテクニックには、以下の6つがあります。それぞれ順番に説明していきます。

  1. コミュニケーションの5つの原則を知る。
  2. 相手に関心を持って関わるための具体的な方法と視点を手に入れる。
  3. データベースのつくり方を知る。
  4. ビジョン・スキル・タスク・パーソナルな情報を知るための切り口を使う。
  5. アクノレッジメントと4つのタイプを理解する。
  6. なんといってもオンゴーイングなフォローが大切

▼コミュニケーション(対話)の5つの原則を知る。

当たり前の話ですが、コミュニケーション(対話)は双方向でのやり取りが大原則で、キャッチボールのようなものです。この大原則を意識することで、はじめて対話を通じた信頼関係を作り上げることができるのです。

  1. 対話をはじめようという意思がある
    当たり前の話ばかりで恐縮ですが、聞き手である、あなたが、「この人の話や考えを聞いてみたい」という意思がなければ対話は始まりません。話し手に関して興味・関心を持つところが対話のスタート地点になります。
  2. 話し手の同意をある
    「今から面談をはじめましょうか?」「はい」このように、キャッチボール同様に相手(話し手)の同意が必要です。
    あなたの周りこういう人はいませんか?一方的に話しかけておいて、「相手をしてくれない」という苦情を言う人。それはそもそも対話が始まっていないのですから、どうしようもありません。
  3. 対話を継続することにも同意を取る
    こちらもとても基本的なことですが、キャッチボールは、勝負ではありません。同じように対話も議論やディベートではありません。ですから、意思決定など結論を出すためのものでもありません。「今から10分ほど〇〇についてお話しましょう」シンプルにこの同意をお互いで支え合うことが目的になります。
  4. お互いに向き合って行います。
    こちらもキャッチボール同様、お互いが向き合って行う必要があります。実は、人と向き合って話すことで目の前にいる聞き手だけではなく、自分自身にも向きあうことになります。言葉では理解しづらいので、一度実践してみていただきたいのですが、

    自分が相手に向かって話している内容が、自分の耳から頭に入ってきて、さらに考えが深まる現象が起きます。これはオートクラインという現象です。「今、自分で話してて思ったんだけど・・・やっぱり・・・」なんて会話に聞き覚えありませんか?そうまさにそれが対話の効果なのです。
  5. 距離感を大切にする。
    すでに信頼関係が取れている人との対話の場面では、自然と適切な距離感が取れているものです。つまり、適切な距離感は、信頼関係につながるとても大切な対話の要素なのです。
    二人の距離が遠すぎては、声を張る必要が生まれ、自然な会話はできませんし、近すぎると話し手の心理的圧迫感を生み出ししまうでしょう。自分が話し手で、聞き手が近すぎる場合の不快感を想像すれば、すぐに適切な距離感は意識できると思います。

    5つの原則についてお読みいただいてどんなふうに感じましたか?どれも、信頼関係が取れている相手とは自然にできていることばかりです。
    一方で、初対面や苦手と感じている相手とは、どうでしょう?おそらくは、どれかが欠けているはずです。ぜひ、一度、いろいろな人ととの会話(対話ではなく)の場面を想像してみてください。また、その話し手との会話に際して、これら5つの原則を取れ入れることで、対話へと改善するはずです。
小さな石(意思)が集まる組織が会社。それぞれが、協力(対話)をすることで強い組織になる。
宮城県 塩竈神社

▼成立していない対話とは。いったいどんな感じでしょう?

先述の通り、対話とは、キャッチボールです。お互いが一つのボールを同意のもとに交互に投げ、キャッチすることで成立しています。つまり、対話が成立していないとは、同意がないか、ボールが複数あるか、キャッチしていないか、投げ返していないかのいずれかが発生しています。順番に確認してみましょう。

まず、「同意がない」とはどんな場合でしょう。
相手の準備が整わない間に話し始めたり、話すテンポや順番があってなかったり、また、沈黙を受け入れないなどのケースを言います。これでは、お互いに心地よくキャッチボールできる状態にはないでしょう。
次に、「キャッチしていないケース」とはどんな場合でしょう。
よく見受けられるのは、同意ではなく、評価してしまっているケースです。つまり、「〇×って言ったけど、私は、それは違うと思う。」と言うようなことです。ボールや会話をキャッチするには同意する必要がります。「へー〇×って言ったんですね」たったこれだけのことです。これがなかなか難しいのですが・・。
そして、「投げ返す」とはどういうことでしょう。
「投げ返す」とは、返事をすることです。つまり、あいづちや感嘆や同意などがそれにあたります。一方が無視していたのでは全く対話が成立しないことはおわかりいただけると思います。

▼対話の相手に応じたコミュニケーションをするために大切なこととは?!

対話の相手に応じたコミュニケーションをすることが良い事であろうことは、皆が同意するところですが、では、一体どうすればよいのでしょうか?

答えは、簡単。相手に合わせた会話をしてあげることです。
そのためには、相手を知る必要があります。一方で、対話の相手を知ることは重要ですが、あくまでも相手を知る過程も対話になっている点に注意が必要です。決して、なにかの取り調べのように住所や家族構成などを機械的に聞くようなことにならないように気をつけてください。
つまり、相手のデータベースを作ることが目的なのではなく、データベースを作る過程が対話として重要なのです。

その点をしっか理解した上で、具体的にどのような項目が対話に活用できそうか挙げてみます。大きくは、4つのカテゴリーに分けることができます。
①ビジョン
②スキル
③タスク
④パーソナル

①ビジョン
“人生で実現したいこと”、“仕事上で大切にしていること”、“仕事とは”、“仕事の成功とは”、“仕事を通じて実現したイゴールは”、“成功体験や失敗体験”、“やりたいと考えているが未着手のことは”、“入社の動機”、“今後社内で達成したいこと”、“キャリアについて達成したいこと”、“社内に起こしたい変化”などが主なテーマです。

②スキル
“最近身につけたスキルは?”、“他人に知られていないスキルは?”、“強みや弱みは?”、“十分ではないスキルは?”、“今後身につけたいスキルは?”、“もっとも仕事がはかどる時間帯”、“スキルアップのためにしている努力は?”、“会社に臨むことは?”などが主なテーマです。

③タスク
“得意領域と不得意領域”、“一番責任を持って取り組んでいるテーマはなに?”、“仕事の進め方での得意不得意は?”、“タスク達成のために周りにしてもらいたい支援は?”、“会社への提案”、“人に任せられそうなタスクは?”などがあるでしょう。

④パーソナル
“一番モチベーションが上がる瞬間は?下がる瞬間は?”、“休日の楽しみは?”、“ストレスを感じることは?”、“気分転換の方法は?”、“うれしいときにとる行動”、“趣味は?”、“いま、気がかりに感じていることは?”、“誕生日は?”などが考えられます。

▼承認(アクノレッジメント)の効果は意外に絶大なのです。

アクノレッジメントは、日本語で“承認”と言われていますが、決して褒めたりするだけではなく、単に事実を事実として受け取ることを指します。なぜなら、褒めるということは、評価に繋がり、話し手が受け取りづらくなるケースが生まれるからです。
例えば、同じ賞賛をしても時に話し手が「評価された」と感じてモチベーションが上がったり、“よいしょ”と感じてモチベーションが下がったりと言う不測の事態が起きる可能性があります。ですから、事実を事実として受け取ることが重要なのです。

アクノレッジメント(承認)には、「存在承認」「行動承認」「成果承認」「成長承認」の4つのタイプがあります。
まず、「存在承認」。「コーヒーをよく飲んでいますね」など見たままを伝えるだけなのですが、相手には、「関心を持たれている」と伝わります。
続いて、「行動承認」。「行動承認」とは、望ましい行動、これから成果に繋がりそうな行動について伝えることです。「〇〇始めたんですね」
そして、「成果承認」とは、達成したことを承認することです。「目標を達成しましたね」「最後までやり遂げましたね」など。成果が褒められて事でモチベーションが強化されます。
最後に「成長承認」とは、目標に対してどの程度進捗したのかをフィードバックすることです。「先月は5件でしたが、すでに6件を達成して上回っていますね」など成長を実感できる定量データで承認することが重要です。

このように書くと、とても難しい事のようですが、つまりは、「関心を持っていますよ。注目していますよ」と相手に伝わることが大切です。例えば、名前を呼んだり、朝の挨拶をしたりなど、たわいもない世間話でも良いのです。

▼対話を継続したものとするためのコツとは?!

ここまでは、聞き手側が、話し手側(コーチを受ける人)に対してのコミュニケーションについて話してきましたが、対話(コーチングセッション)はキャッチボールが大切ですので、相手にも話しかけてもらう必要があります。これができれば、お互いの信頼関係はさらに向上することができます。

具体的には、
セッションとセッションの間の行動目標を共有したり、
セッションのメモを送ったり、
次のセッションの前に進捗を確認したりなどが、   代表的なアクションです。

また、コミュニケーションの機会を具体的に決めて依頼してしまうことも有効です。
例えば「帰社したら・・出発する前に・・・契約がとれたら・・、ひと段落したら・・」などが考えられます。
逆に「いつでも・・」「何かあったら・・」では声をかけづらいものです。

対話は、先述の通りごく短い簡単なものが良いでしょう。互いに気軽にできるストレスが小さな内容とボリュームで行い、対話の回数を増やすことを意識してください。例えば、「今日の訪問先は?」「目標は?」「帰社時間は?」などでOKです。とにかく、対話の効果は、質より量なのですから。

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▼まとめ

いかがでしたでしょうか?
本日は、「対話の効果を最大限にするテクニック」について一緒に見てきました。
よい対話を作る5つの原則とは?
対話が成立していない状態とは?
相手に合わせたコミュニケーションのコツとは?

アクノレッジメント(承認)とは?
良い対話を継続するためのコツとは?

について、私の経験談を交えながらお伝えしました。

明日からといわず、今日から、気づきをもとにあなたなりに実践をしてみてください。なぜなら、良い聞き手になるためには、何よりも日々のトレーニングが一番大切だからです。
私も、みなさまにこのコラムをお読みいただいたことで、頭の中を整理することができました。引き続きよろしくお願いいたします。

本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

堺なかもず経営支援センター
中小企業診断士 山本 哲也


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