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ふるさとプロボノに参加してみませんか?

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ふるさとプロボノに参加してみませんか?

最終更新日:2024/04/07

みなさんこんにちは!


大阪堺で「経営のモヤモヤをワクワクに変える!」をビジョンに、みなさまのちょっとした変化を応援しています。中小企業診断士の山本哲也です。

みなさまは、獣害対策の現場をみたことがありますか?


山間部や郊外でのドライブや電車の車窓から見たことがあるかもしれませんね。田んぼの上にキラキラしたテープを張り巡らしたり、ネット、鉄条網、電気柵などアレです。あとは、獣害対策と聞くと猟銃で駆除してしまう。そんな方法しか知りませんでした。実は、獣害対策はもっともっと奥が深いのです。

ボランティア参加のきっかけ

昨夏、とある先輩からの紹介で丹波篠山の獣害対策NPOの新規事業の導入支援にボランティアとして参画させていただきました。このサイトやSNSなどでも共有していましたのでご存じ頂いているかたも多いかも知れません。

参加するまでは前述の通り、獣害対策と言えば作物を野生動物から守るための電気柵や鉄条網といった物理的な防御手段や、または、罠で動物を捕まえたり、猟銃などで駆除ししまうことを想像していました。

しかし、現実にはこれらの対策は非常に複雑で、多くの場合、思い通りに進めることが難しい現状があります。

駆除も簡単じゃない

その理由は、駆除には自治体の許可が必要であることです。また、個体数や場所などいろいろな制限があります。

当たり前と言えば、当たり前ですね。
なぜなら、長い長い期間で考えると、動物たちが暮らしていた場所にあとから来た人間が開発を進め、動物たちを山に追いやってしまったとも言えますからね。また、地球には、生態系のバランスというものがあり、人間、動物、植物、全てが健康な地球環境を守るための構成要素でもありますし・・・。


そんな背景に基づいて、一定程度、動植物は、法律で保護されています。

また、依頼するにも費用がかかりますから、簡単な方法とは言えません。

かと言って、防御も問題山積

では、電気柵などの物理的な防御対策があれば、万全なのでしょうか?

実は、こちらも、大きな課題があります。それは、地域の農家が協力し合い、一致団結して取り組む必要がありますし、大きな設備投資や維持費用や労力が必要になるからです。
また、自分の田畑だけにいろいろな防護柵を張り巡らしてもあまり意味がありません。隣の田畑がまったく無防備であれば、動物たちから見ると、「一部には、入りづらい畑もあるが、総じて食べ物が多い地域だね」ということになり、たくさんの動物が集まってくるからです。


ですから、「自分たちだけが、対策をしてもなぁ・・・」となる農家も多く、なかなか一致団結となるのが、難しい現実があるようです。

農家にもさまざまな事業課題がある

ひと言で農家と言っても、私たちのビジネスと同じで、事業規模がありそれぞれ個別の事情があります。いま、もっともクローズアップされているのは、ビジネス同様、事業承継者の有無です。


後継者がいれば、獣害対策への投資もできますが、廃業を見通している農家では、とても電気柵などの厳重な警備に掛けられる費用は、限定的にならざるを得ません。
例えば、「生産効率がアップする設備を導入しよう、DXをすすめなきゃ!」と言われても、その投資に見合うだけのリターンが期待できなければ、踏み切れないでしょう。それと同じです。

そして、さらに大変なのは、この野生動物に対しての苦労自体が、農家のモチベーションを下げており、高齢化、後継者不在問題などが相まって、耕作放棄地が増えています。耕作放棄地が増えれば、野生動物に対するプレッシャーも減少するため、出没数が増える。こんな悪循環が生まれています。
もう、どこから手を付ければよいやら・・・

獣害対策NPO法人の紹介

今回、私が参加させていただいたNPO法人(里地里山問題研究所 通称さともん)は、このような地方における獣害問題に焦点を当てた活動を行っています。彼らは、農作物を守るための獣害防止策の開発と実施に加え、地域住民との協働を通じて、人と野生動物が共存するための環境づくりを目指しています。

それは、単に防御するだけでもなく、駆除するのでもない、第三案の提案です。
この大変な獣がい対策を通じた地方活性化、里山保全による共生を目指して提案しています。
具体的には、里山を知ってもらうイベントを企画したり、農作業ボランティアや農作物のオーナーを募集したり、など自治体とも連携しながら農村のことを発信し、一緒に守ってくれる人材を外部からも取り込むような取組みをしています。また、他の遠方地域にも出張し、指導するようなことにも取り組んでおられます。

まさに、オープンイノベーションの手法ですね。

彼らは、この第三案を提案するにあたり、”獣害”ではなく、”獣がい”と呼んでいます。最近では、地元の高校生と一緒になって放置柿を使った農産品の開発をしているそうです。放置柿とは、誰も収穫しないでほったらかしの柿のことで、これを目当てに、猿などが山から下りてきます。そして、ついでに畑の野菜も食べてしまうのです。
恥ずかしながら、つい最近まで、「カラスや鳥のえさになってていいな」くらいにしか考えていませんでした。

ふるさとプロボノ制度とは

ふるさとプロボノ制度は、農林水産省が推進する地域活性化のためのボランティアプログラムです。ボランティアには、人的ボランティアや金銭的ボランティアなどがありますが、プロボノとは、社会人の専門知識や技能(スキル)を活かす「知的ボランティア」のことです。

農水省は、地方創生に対して、都会で働く人たちの技術や知識を活用したいと考えており、このような仕組みを提供しています。

みなさんの力が必要になっている団体がたくさん登録していますので、一度サイトを覗いてみてください。

まとめ

今回は、美しい日本の里山を守っているNPOの存在や彼らが取り組んでいる里山保護活動について、その一部をご紹介しました。


それは、問題の存在そのものを受け入れ、逆に解決策としてしまう」という、トレードオフの考え方は、私たちのビジネスにもとても役立つ手法だと言うことをお伝えしたかったことと、このような社会課題の解決に対して「みなさんのお知恵をお借りしたい」ということをお伝えしたかったためです。

もしご興味を持たれましたら、それぞれのサイトを訪問してみてください。

サービスグラント(プロボノポータルサイト)

ふるさとプロボノ(地方の課題解決に特化したサイト)

さともん

ふとさとプロボノ紹介動画プロボノサイトのPR動画にちょこっと出演しています。とても見ごたえのある自分のこれからについても考えさせられる動画です。
通勤途中にでもご覧ください。
こちら>>


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山本 哲也